2021年07月現在、中国の大学で日本語教師をしているきいろいぴよです。
この記事は
2021年10月20日に「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)が、電子書籍に加えて紙書籍の出版にも対応したと発表したみたいだけど
紙対応するには具体的には何をしなければならないのかな?
管理画面にある「ペーパーバックの作成」をクリックしたらいい感じで紙書籍ができるのかな?
とお考えの方々に向けて、私が実際に紙対応した際に行った作業をお伝えする記事となっております。
Kindleストアでの電子書籍の紙対応でお悩みの皆様のお役に立てれば幸いです。
この記事に書かれている内容は
1.カテゴリー設定。
2.背景色の決定。ISBNの取得。サイズの決定。裁ち落としの有無の決定。
3.表表紙・裏表紙・背表紙の作成。
4.縦横混在のデータの修正。
5.PDFデータの作成。
6.おまけ 印刷費を考慮した価格設定。
の6つです。
2.背景色の決定。ISBNの取得。サイズの決定。裁ち落としの有無の決定。
3.表表紙・裏表紙・背表紙の作成。
4.縦横混在のデータの修正。
5.PDFデータの作成。
6.おまけ 印刷費を考慮した価格設定。
の6つです。
キンドル電子書籍の紙対応ですが、私はキンドルの電子書籍は既に出版していたので、電子書籍の管理画面の横にある「既存のペーパーバックをリンク」のボタンをポチっとすればいい感じの紙書籍が出来上がって出版できるのではないかと思っていましたが現実はそんなに甘くはありませんでした。
本記事をお読みいただければ、今あるkindleの電子本を紙書籍として出版するにはどういった作業が必要なのかを知ることができます。
私は実際に2021年11月06日に自身の著書「盗み見教案 きいろいぴよ 初級前半おまかせパック 第01課~第25課 (教案138枚・縦横混在)」のペーパーバックの提出に成功し、Amazonの審査チームによる手動チェックに進むことができました。
本記事はkindleにて紙書籍の出版を考えておられる方々のための記事となります。
記事の最後では、おまけとして「印刷費を考慮した価格設定。」についても記載しておりますので、ぜひ最後までお読みください。
それでは早速本題に進みたいと思います。
それでは早速本題に進みたいと思います。
Kindleでの紙書籍の出版に苦労している方々へ
~私がキンドルの電子書籍の紙対応で行った作業5選~
1.カテゴリー設定
電子書籍でのカテゴリーと紙書籍でのカテゴリーは同じではないようなので、紙書籍は紙書籍で別途カテゴリーの設定が必要でした。
2.ISBNの取得・インクと用紙のタイプの決定・サイズの決定・裁ち落としの有無の決定。
ISBNの取得
インクと用紙のタイプの決定
カラーの場合は用紙は白だけですが標準カラーかプレミアムカラーが選べます。
サイズの決定
電子書籍の場合は利用者側の端末のサイズに自動で調整されていましたが、紙書籍の場合はそういうわけにはいかないので、こちらであらかじめ決めておかなければなりません。
裁ち落としの有無
私は「裁ち落としなし」を選びました。
3.表表紙・裏表紙・背表紙の作成。
電子書籍の場合は表表紙だけ作ってアップすればよかったのですが、紙書籍の場合は裏表紙と背表紙も作成しなければなりません。テンプレートはPDF形式なのでPDF編集ソフトが必要になります。
私は「かんたんPDF EDIT」という無料ソフトをダウンロードして利用しました。
※2021.11.12追記
AI審査は通過できましたが、スタッフ審査でひっかかりました。
・表紙ファイルからテンプレートテキストやガイドをすべて削除する。
・表紙ファイルからトンボやカラーバーをすべて削除する。
の2点を指摘されました。
背景画像で全部覆い隠すことで対応しました。
消していないんだけど見えなくなって消えているのと同じということでOKをもらえたようです。
(背表紙の青いラインや周りのピングが不合格の原因です。)
(背景を一面黄色にして青線やピンクを全て覆い隠しました。)
4.縦横混在のデータの修正。
私の電子書籍は日本語教師の教案本なのですが、電子書籍の時は縦と横が混在した形で出版しておりました。
紙書籍出版用のPDFデータでは縦と横が混在していては不具合が生じるでしょうから、縦横混在のデータを縦に統一する必要がありました。
電子書籍の場合は端末側の設定でいい感じに表示できていたと思うのですが、紙書籍として実際に印刷して出版するとなれば、縦横混在データでは問題があると思います。
5.PDFデータの作成。
大変苦労しました。
電子書籍を出版するときにアップロードしたデータがそのまま使われるものだと思っていましたが、実際には紙書籍は紙書籍で新たにPDFデータを作成してアップロードしなければなりませんでした。
私の書籍は全てPDFのスナップショット貼り付けで作成されているのでエラーは上がってきにくいと思っていたのですが実際にはエラーばかりで苦戦しました。
自力ではどうにもならなくなってしまい、kindleに二度問い合わせしました。
キンドルのサポートセンターは反応も早く大変使い心地が良かったです。
私が遭遇したりkindleスタッフから教えていただいたエラーとその対策を挙げておきます。
①原稿ファイルをPDFに変換すると不具合(ところどころ白紙になる)が発生。
「PDFファイルとして出力」で出力すると不具合がでやすいようです。
「印刷」から「PDFへ印刷」を選んでPDFにするとPDF変換時の不具合は解消されました。
「印刷」から「PDFへ印刷」を選んでPDFにするとPDF変換時の不具合は解消されました。
②作成中の原稿ファイルにフォントのエラーが含まれている。
kindleに問い合わせて教えていただいた問題です。
以下のようなフォントを埋め込む操作をしなければならないようです。
私はよくわからないのですが、いわれるがまま設定をしました。
以下のようなフォントを埋め込む操作をしなければならないようです。
私はよくわからないのですが、いわれるがまま設定をしました。
フォントを埋め込むには、次の操作を行います。
1.「ファイル」メニューで「オプション」をクリックします。
2.左側のメニューから「保存」を選択します。
3.「ファイルにフォントを埋め込む」ボックスをオンにします。
4.2 つのサブボックス「文書で使用されている文字だけを埋め込む」と「標準システム フォントは埋め込まない」がオフになっていることを確認してください。
5.「OK」をクリックします。
キンドルのサイトでも掲載されていましたのでこちらもご参照ください。
③極度に高解像度の画像が使用されている。
これもkindleに問い合わせて教えていただいた問題です。
KDP ではできるだけ高解像度の画像をお使いいただくようお勧めしておりますが、同時に、解像度が高すぎる際にもアップロードエラーの原因となる場合がございます。このエラーが認められたため、画像を 350-400 dpi 程度になるよう調整をお願いいたします。
とのことでした。
私が使用していた画像はPDFの300dpi設定のスナップショット画像でした。
350-400dpi以下だから問題ないだろうと思っていましたが、それが大きな間違いでした。
dpiは「ドット(dots)パー(per)インチ(inch)」のことで、要はドットの密度です。
私はPDFのスナップショットで撮影した画像(300dpi設定)をWordに貼り付けていたのですが、貼り付ける際、画像が大きいということで適当に縮小していました。
縮小しても実際の品質は変わらない設定にしていたので、縦横各1/2に縮小すると密度は4倍になってしまいます。
300dpiで作成された画像は大きさが1/4になったことで密度が4倍=1200dpiとなり、余裕で「解像度が高すぎる画像」になってしまっていました。
修正が必要でした。
縦(71ページ)と横(107ページ)がある教案の内、横の画像はそのまま(高解像度画像)で縦の画像の教案を画像を使っていない元のワードデータに差し替えました。
電子書籍の入稿はWord形式で行っていたので、各種設定の手間を省いたり表示のズレを防止するために一旦PDFにしてスナップショットで画像を取得しWordに貼り付けていました。
紙書籍の入稿はPDFで行うので画像にする必要はなくなっていたので、縦の教案を元のワードデータに差し替えました。
④PDFのデータが重いとエラーで弾かれるのかも。
使用する画像が高解像度すぎるとエラーの原因となるのは③で述べたとおりですが、原稿全体の容量が大きいとエラーになりやすいのかもしれません。
私の場合ですが、最初200ページで200Мくらいの容量だった時はエラーになりアップロードできませんでした。
試しに150Мと50Мに分けてアップロードしてみたところ、どちらもアップロードすることができました。
⇒kindle側のファイル処理の限界があるようです。
高解像度の画像はkindle側で適当な解像度に変換してくれる機能があるのですが、データの中に高解像度の画像があまりにも多いと処理しきれなくなってエラーになってしまうようです。
私の場合は縦横合わせて178ページの教案の内、横の教案(107ページ)は高解像度画像のままでしたが、縦の教案(71ページ)をテキストデータに差し替えることで正常にアップロードすることができました。
画像の高解像度具合にもよると思いますが、高解像度の画像が数枚あるからといって直ちにエラーとなるわけではないようです。
⑤Wordの枠いっぱいに画像を貼り付けていると、仮にPDF変換に成功してもKindleの原稿アップロードの段階でエラーが発生して正常終了できない。
かなりゆとりをもって画像を枠内に収めることによりエラーが発生しなくなりました。
枠からはみ出ていた場合、正常にアップロードできてもその次のプレビュアーによるチェックで要修正箇所として上がってきます。
⑥PDFの名称があまりにも長いとエラーが発生して正常アップロードできない。
テストデータで正常にアップロードできたので、正式名称をつけてアップロードしなおしたところエラーが発生して正常にアップロードすることができませんでした。
20文字程度の名称に設定しなおしたところ正常にアップロードすることができました。
名前の長さが原因だったようです。
20文字程度の名称に設定しなおしたところ正常にアップロードすることができました。
名前の長さが原因だったようです。
6.おまけ。印刷費を考慮した価格設定。
無事入稿が済むと、価格設定の画面に進むことができます。
印刷費は結構高いです。
しかもこの印刷費は著者が全かぶりです。
印刷費は結構高いです。
しかもこの印刷費は著者が全かぶりです。
白黒印刷の場合
24ページ~108ページは400円
110ページ~828ページだと固定費(175円)+ページごとコスト(一枚当たり2円)
かかります。
最低でも395円かかります。
最低でも395円かかります。
詳しい印刷価格についてはkindleサイトの「ペーパーバックの印刷コスト」をご覧ください。
60%のロイヤリティでこの印刷費をまかなわなければなりません。
395円を0.6で割り戻した658円が紙書籍本体価格の最低ラインとなります。
利益を確保すると800円くらいの値段設定になりますから、私が現在電子書籍で販売している単課の教案本たち(お値段100円台)の紙書籍化は見送りました。
電子書籍だと気楽に購入できて気楽に読める100円台の書籍が多いと思います。
しかしながらkindleで紙書籍として出版するには658円以上の価格設定が必要となります。
それなりのボリューム&価値のある書籍を執筆しなければならないということだと思います。
(価格設定画面では利益が発生しないような価格設定はできないようになっています。)
今回紙書籍化した私の書籍は
です。
価格は本体価格3,600円に設定しました。
日本で売れた場合10%の税金がついて3,960円となります。
3千円台ギリギリを攻めてみました。
価格は後からいつでも変更もできるので、しばらくはこの価格で様子をみたいと思います。
最後まで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
この記事が
kindleで紙対応するには具体的には何をしなければならないのかな?
管理画面にある「ペーパーバックの作成」をクリックしたらいい感じで紙書籍ができるのかな?
とお考えの方々の参考になれば幸いです。
それではまたの機会に
きいろいぴよ🐣
2024年05月に別の紙本(ペーパーバック)を出版致しました🐣
返信削除その際、上記事のサンプルページ(白黒版)だとAI審査は通過したものの、人間審査は通過できませんでした🐣💦
黒塗り部分のせいでテキストが判別できない(隠れてしまっている)と判断されたようです🍗💦
前回は透かし部分があり判別されにくくなっていることが問題視されていたので、黒塗りで納得してくれたようですが、
今回は最初から黒塗りで申請したので、隠れてしまっていること自体が問題視されたようです🍳💦
しょうがないのでサンプルページは全削除して申請することになりましたことを
ここでご報告させていただきます🐥