メリットは?デメリットは?中国の地方都市の大学で日本語教師

2021年5月2日日曜日

04中国の大学

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うしのぬいぐるみ

みなさんこんにちは。現在、中国の大学で日本語教師をしているきいろいぴよ🐣です。中国の大学勤務は2019年の9月からなので、現在2年目です。(2021年5月現在)。今回は「メリットは?デメリットは?中国の地方都市の大学で日本語教師」について書きたいと思います。

メリットは?デメリットは?中国の地方都市の大学で日本語教師

中国の地方都市の大学で日本語教師として働くのにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。メリットとデメリットをそれぞれ5つ挙げて説明していきたいと思います。よろしくお願いいたします。


メリット

 

1.1年の半分以上が休み

中国の大学は2学期制で学期と学期の間に約2カ月の学期休みがあります。夏休み2カ月、冬休み2カ月で計4カ月あります。外国語の先生はその間、授業がありませんから、出勤する必要がありません。外国人の先生が参加する研修や会議、学生のための登校日や行事もありませんから(多くの学生は休暇中実家に帰省しています。)、この夏休みと冬休みは完全フリーで、中国にいてもいいし日本に一時帰国したり、他の外国でバカンスを楽しんでも問題ありません。学生もお休みですから、休み中に何かトラブルが起こってスマホで呼び出されるという心配もありません。日本や他の海外で働けば、年末年始のお休み(一週間くらい?)とGWくらいしかそのような休暇はないと思うのですが、中国の大学ではそれが4カ月(=120日)あります。残りの8カ月についても完全週休2日制ですから240×2/7=68日ぐらいは休みです。120+68=188日ですから、1年の半分以上がお休みということになります。

 

2.授業時間以外自由

私が教えている中国の大学では、自分の授業さえしっかりしていれば他に何の仕事もありません。授業以外の時間に職員室で待機して、その間調査物の回答をしたり、保護者からの電話に対応したり、会議に出席したり、掲示物の張り替えをしたり・・、そういった雑務は一切ありません。私の大学では職員室自体が中国人の先生のと外国人の先生のとで分けられていて、私のデスクは中国人の先生の職員室にはありません。外国人用の職員室は日本人が一般的に想像するような感じではなく、ちょっとしたカフェのような感じになっていて、ソファーとテーブルが部屋の真ん中にどぉ~んと置かれていて、先生方が授業前にくつろげるスペースとなっています。冷蔵庫・電子レンジ・電気ケトル完備です。一応、事務机もいくつか置かれていますが、そこで作業をしている先生を私はみたことがありません。


話がそれましたが、とにかく授業時間以外は肉体的にも精神的にも自由なのです。そして、素晴らしいことに、授業の無い曜日がある学期があって、その時はその曜日はお休みとなります。ちなみに今学期でいうと、私は金曜日は授業がないので毎週末3連休です。そして月曜日から木曜日も午前中しか授業がないので、午後は休みとなります。毎日半休状態です。

 

3.職場に日本人がいない

日本語教師として海外で働く場合でも、たいていの場合日本人の同僚がいるかと思いますが、中国の地方都市の大学で日本語教師をする場合、日本人はその大学で自分一人の場合が多いと思います。

職場に日本人がいないのはとても良いです。わけのわからぬ日本人コミュニティに引っ張り込まれる心配もありませんし、現地では必要がないと思われるような業務を共同でする羽目になることもありません。引継ぎや打ち合わせ、授業の質の担保のための協調も必要ありませんし、意識高い系日本人日本語教師からの日本語教師とはこうあるべき的な訓示を聞かされることもありません。私自身が現地で必要かつ有効だと感じたことを他人からの修正をまったく受けることなく実行することができます。


自分が使いたいテキストを使って、自分がやりたいようにカリキュラムを組んで実行するのは、想像以上に楽しいです。結果が出なかったら全部自分に跳ね返ってくるのですが、私自身が現場で、まさに今、必要かつ有効だと感じたことを実行しているのですから、結果が出ないわけがありません。結果が出ないのは大抵、今の現場を知らない方々が、彼らのそれまでの経験や知識及び惰性を基にして現場を想像して構築したカリキュラムを現場の先生に丸投げしているケースや、過去に作成したカリキュラムを長年運用し続けていて、現在の現場の状況に合っていない場合じゃないですか?(個人的見解)。

そんなわけですから、職場に日本人がいないというのは、中国の地方都市の大学で日本語教師におけるメリットの1つだと思います。

 

4・文型導入不要

おそらく多くの中国の大学では日本人日本語教師は文型の導入をする必要がありません。私の大学では文型導入は全て中国人の日本語教師が行っています。1、2年の学生はほぼ全員が中国版「みんなの日本語」を持っていますので、おそらく文型積み上げ型の何かのテキストなりプリントを使って文型を導入しているのだと思います。(中国版「みんなの日本語」は学校指定のテキストというわけではなさそうです。)

そしてその「入り」はというと、いいんです。入ってます。ちゃんと。それはもう、おそらく私が直接法でわちゃわちゃして入れるより絶対入ってます。そういう状況ですから、私は文型を導入する必要がありませんし、中国人の日本語教師に文型導入に関して何かしらの指導をする必要もありません。わちゃわちゃ、コツコツ文型を導入しなくても良いのは私にとってはとてもありがたい環境です。

 

5.物価が安い。教師寮無償提供。学生食堂・教員食堂利用可能。

同じ中国でも北京や上海などの大都会だとヘタすると日本の東京より物価が高いようですが、私が働いている中国の地方都市は、実は大阪くらいの都会なんですけど、物価は安いです。ローカルなものを食べたり買ったりする分には日本の1/3くらいの価格で済みます。教師寮(大学から少し離れたところに借りている物件・5LDK)が無償提供されているので住宅費は無料です。学生食堂・教員食堂も利用でき、教員食堂に至っては、一食6元(約100円)でおかず3品の食事をとることができます。独身男性だと月2,000元~3,000元(約34,000円~50,000円)あれば十分快適な生活ができます。

給料自体は日本でもらう給料より安いのですが、生活費を大幅に抑えることができるため、けっこうなお金を貯蓄に回すことができます。これは中国の地方都市で働く大きなメリットの一つです。

 

教員食堂の昼食

 

デメリット


1.1年の半分以上が休み

1年の半分以上が休みというのは、ここ中国にいる限りにおいては最高の環境なんですけど、こんなのを経験してしまうと、もう日本はもちろん他の国でも普通に働くことができない体になってしまいそうです。

日本のサラリーマンにはもう戻れる気がしません。そういう意味ではデメリットなのかもと思います。

 

2.授業時間以外自由

これもデメリット「1」と同じです。日本の日本語学校の常勤でこの待遇はないと思います。海外の日本語学校の日本語教師の常勤なら探せばありそうです。私がかつて勤務していたマレーシアの日本語学校は常勤日本語教師でも授業時間以外は自由でした。専任はそうではありませんでしたけれど・・。

私はここ中国で朝9時から夕方6時まで働くなんて考えたくもない頭と体になってしまったのです。そんなに働いたら、あとはもうご飯食べて寝るくらいしかできないことないですか?そんな環境で働くのは嫌ですから、日本に帰ったらそのままひきこもりニートになってしまいそうです。デメリットなのではないでしょうか。

 

3.職場に日本人がいない

特に未経験で中国の大学にくると、職場に日本人がいないことがデメリットになることもありそうです。まず、一般的な日本語学校で行われるような新人研修は行われないと思います。中国人の先生は中国語を使って日本語を教えていますから、新人日本語教師が日本語だけで日本語を教えるのなら、それに関しては中国人の日本語教師は指導のしようがありません。クラスコントロールやタイムマネジメント的なものは指導してくれるかもしれませんが、過度の期待は禁物です。


また、日本人日本語教師がいないと、その大学の学生たちにはどのような教え方が有効だとか、どんな文法項目が入りにくいかとかの情報を得ることができません。初めから自分で手探りでトライ&エラーを繰り返しながら授業を作っていく必要があります。でも、これについては、先輩日本人教師の情報が足かせになるケースもあるでしょうから、一概には言えないかもしれません。心の支えにはなるのかもしれません。

 

4.文型導入不要

特に未経験で中国の大学にくる場合は、デメリットになるかもしれません。文型を中国人の先生が教える大学での勤務となった場合、これまで養成学校などで練習してきた文型導入が主となるような授業の経験を積むことが難しくなります。作文やスピーチ・発表に特化した授業の経験は国内外の一般的な日本語学校からは評価されにくいかもしれません。不要であっても日本語教育業界で普及している教科書を使った授業をある程度組み込んでおき、自身の経歴としてカウントできるようにしておくなどの工夫が必要かもしれません。

 

5.中国元の日本円への換金

物価が安いのと福利厚生がしっかりしているのとで安月給でもお金が貯まる中国生活ですが、もらう通貨は中国元です。この中国元ですが、日本円に換金するのには何かと制限があります。


1.雇用契約書の中に「それらの70%は毎月外国為替に交換することができます。」という一文がある。


2.銀聯カードを使って日本のATMで日本円で引き出せるのは、10,000元/日かつ100,000元/年。


約17万円/日かつ約170万円/年ですから十分のように思われるかもしれませんが、コロナでいつ日本に帰れるのかわからない状況では、1~2年すれば一回の日本帰国では十分な換金ができない状況に陥る引き出し制限です。しかもこの引き出し制限はいつ変更になってもおかしくありません。日本円に換金し終わるまで安心できないのは立派なデメリットだと思います。

 

コーヒー


最後に

いかかでしたでしょうか。今回の記事では中国の地方都市の大学で日本語教師として働く際のメリットとデメリットについてお話させていただきました。

このブログでは私の中国の大学での日本語教師としての活動や、中国生活に関する情報を発信していきたいと考えております。

みなさんどうぞよろしくお願いいたします。

 

それではまたの機会に

さようなら~~🐣




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はじめまして きいろいぴよです。 2019年9月より中国の常州という地方都市の大学で日本語教師をしています。 今まで働いてきた国は タイ(青年海外協力隊・日本語教育・ムクダハーン県)・マレーシア(日本語学校・クアラルンプール)・キリバス(青年海外協力隊・職業訓練校・タラワ)・フィリピン(日本企業・技能実習生への日本語教育のマネジメント・カランバ)・中国(現地採用・大学勤務・常州)です。こちらのブログでは主に 中国の地方都市での暮らしと大学での日本語教育について情報発信していこうと思っております。これから中国の地方都市で働く予定の方や今現在中国で働いている方へ有意義な情報を発信していけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 2021.6.13 きいろいぴよ

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