中国の大学で日本語教師をしたらホワイト突き抜けてクリスタルだった件(2021ver)

2021年5月13日木曜日

04中国の大学

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 2019年の9月から中国の大学で日本語教師をしているきいろいぴよです。

就職活動中は色々な国の様々な求人がありましたが、
「働き方改革断行!!」を最終決断の決め手として選んだ就職先が

「中国の大学で日本語教師」

でした。
今回はその就職先がホワイトを突き抜けてクリスタルだった件についてお話したいと思います。

中国の大学で日本語教師をしたらホワイト突き抜けてクリスタルだった件

1.求人票に書かれていたことと追加で質問したこと。

私が応募した求人票には以下のことが記載されていました。
①給与 8,000元
②週16-20コマ(1コマ45分)
③1年に1回往復エコノミークラスの航空券代支給。
④教師寮無償提供。
⑤契約期間中の夏休みや冬休みが有給。
⑥保険あり

エージェントに次の質問をしました。

①について
Q.2年目以降に昇給などの規定はあるか。
A.2年目は500元アップして8,500元になる。

②について
Q.授業は1コマ単位かそれとも2コマ1セットとして行われているのか。
A.授業は2コマ1セット。

Q.授業以外はどのような待遇になるのか。職員室で事務及び教案作成?
A.授業以外は基本的に自由。

④について
Q.教師寮の間取りや備品について詳しく教えてください。
A.写真を送ります。

⑥について
Q.保険の内容について教えて下さい。
A.保険の保障内容の表を送ります。


2.求人票にかかれていたことについての実態&感想。

①給与 8,000元

総支給額は求人票どおり8,000元(12万5千円くらい)でした。
大卒の日本人日本語教師の中国の大学での給与はだいたい4,000~12,000元(2019年現在)なので普通だと思います。
そこから税金90元(1,400円くらい)、ネット代80元(1,300円くらい)を引かれた金額が中国の銀行に毎月振り込まれます。
手取りだと12万円ちょいです。

②週16-20コマ(1コマ45分)

最初の学期は週16コマでした。
2学期目と3学期目(現在)は週12コマです。
中国人の日本語の先生はだいたい週8-16コマのようなので
中国の大学教員としては普通の受け持ちコマ数なのだと思います。

③1年に1回往復エコノミークラスの航空券代支給。

日本円で購入した航空券は中国元で中国の銀行に後日振り込まれます。
契約書に金額の上限は記載されていないので、エコノミークラスの航空券ならどこの航空会社のチケットでも大丈夫です。
※今はコロナで中国へ行く飛行機の代金は異常に高く、日にちの近い便だと30万円くらいするチケットしかなかったので大丈夫か確認しところ、30万は難しいとの回答でした。
結局1か月以上先の日付の15万円くらいのチケットを購入しました。

④教師寮無償提供。

めちゃめちゃラッキーな物件でした。
学校内の宿舎ではなく、徒歩5分くらいのところにある居住エリアの中にあります。
部屋が7つあって3階建て。(玄関の扉を開けると上に行く階段と下に行く階段があります。)日本の実家よりも広くて快適です。
冷蔵庫・電子レンジ・湯沸し給湯器・ガスコンロ・洗濯機×2・キングサイズのベット×2・食器一式・洋式トイレ×2・温水シャワー・エアコン5台・ソファー・テーブル・パソコン・プリンターなどなど備品盛沢山付いてました。

⑤契約期間中の夏休みや冬休みが有給。

本当にまるごと有給でした。
100%支給されました。(夏休み分は契約更新後の10月に振り込まれました。)
学期末のテストが終わったら学校に行く必要がありません。
夏休みと冬休みはそれぞれ2か月くらいあります。

⑥保険あり

病院代が40万元(600万円くらい)まで保障される保険に加入しています。
飛行機事故で亡くなったら20万元(300万円くらい)などの死亡保険もついているようです。
現実的な保障内容だと思います。


3.中国の大学で日本語教師の福利厚生。

給与は8,000元ですが福利厚生が充実しています。

①教師寮無償提供。
②学生食堂(学食)とは別に教員食堂(教食)があり、学食より安価。
 朝・昼・晩利用可能。
③保険代は学校持ち。
④1年に1回往復エコノミークラスの航空券代支給。
⑤夏休みと冬休みに国内旅行費が支給される。
⑥水道光熱費として毎月300元(4,500円くらい)
⑦誕生月にパン屋さんのギフト券。国慶節などのイベント時に菓子折りなど。


4.福利厚生の現金換算(きいろいぴよ体感値・月あたり)。

①教師寮無償提供。(60,000円)

 学校敷地外にある物件です。
 部屋が7つもあって、セキュリティーもしっかりしています。
 最寄り地下鉄駅まで徒歩1分と立地も申し分ありません。
 バスの停留所も近くにいくつもあります。
 4,000元/月(6万円/月)はするのではないでしょうか??

②学生食堂(学食)とは別に教員食堂(教食)があり、学食より安価。

 朝・昼・晩利用可能。(15,000円)

 学校外なら昼30元、夜60元出せば結構な食事ができます。
 学食なら昼20元、夜20元くらいが普通。
 教食なら昼10元、夜10元。
 教食は学食より質は高いけど学食より高価というパターンもあるようですが、私の大学では教食は学食より安くて高品質のパターンでした。
 学生は教食を利用できませんが、教員は学食も利用できます。
 朝・昼・晩利用可能。土日祝もOK。というのがありがたいです。
 1日500円あれば3食きっちり食べられる環境です。
 月の半分を教員食堂で食べると想定すると
 日本での食事と比べると毎月15,000円くらい抑えられると思います。

③保険代は学校持ち。(13,000円)

 日本の健康保険料は毎月10,000円以上取られていたと思います。
 それにあたる費用は中国では0円です。
 また、この保険はもしもの時に入院してもその時の病院代を保障してくれます。
 日本で言うところの3割負担分を0円にしてくれます。(600万円まで)
 その価値を毎月3,000円とし、健康保険代の10,000円と合わせて13,000円。

2021.09.09追記
2021年9月分給料より年金・医療保険・雇用保険の3名目で計約400元(約6,800円)控除され始めました。
私の大学では増えた分を給料に上乗せして手取り額が減らないようにしてくれました。
日本の会社では考えられない神対応です。
中国の大学の求人を確認する際は年金・医療保険・雇用保険の控除の有無とその額を事前に確認することをお勧めします。
 

④1年に1回往復エコノミークラスの航空券代支給。(5,000円)

 毎年1回の往復航空券代が実費で支給されます。(片道ずつの請求もOK)
 実費支給なので自費では買わないような繁忙期のチケットも購入可能です。
 コロナで価格が跳ね上がった今回の日本→中国の航空券代(15万円くらい)も中国の大学が全額支払ってくれます。
 コロナ前換算で年間60,000円(5,000円/月)とします

⑤夏休みと冬休みに国内旅行費が支給される。(3,000円)

 国内旅行費が年2,200元支給されます。
 日本円換算価値はキリ良く毎月3,000円とします。

⑥水道光熱費として毎月300元(4,500円)

 半年ごとに清算ですが、水道光熱費として月当たり300元支給されます。
 私の場合毎月100元くらいしか使わなかったので月平均200元が手元に残りました。
 コロナで日本にいる間も支給されています。
 事実上の給与です。

⑦誕生月にパン屋さんのギフト券。国慶節などのイベント時に菓子折りなど。(500円)

 細かいですが誕生月にケーキ代として3,000円くらいのパン屋さんのギフト券がもらえました。
 あと、国慶節(たぶん)の時に菓子折り、クリスマスにワイン1本など。
 なにかにつけてなにかしらくれたりくれなかったりです。
 地味に嬉しい福利厚生です。
 月当たり500円を計上します。

①~⑦を合計すると、私が勤める中国の大学の福利厚生の「きいろいぴよ体感値・月当たり」は101,000円となり、10万円を超えてきます。


5.ブラック企業の要件。

ブラック企業の要件を思いつくままに10個あげてみました。

①長時間労働
②休日が少ない
③有給が取れない
④休日出勤・勤務時間外の呼び出し
⑤残業代が出ない
⑥上司や社長のトップダウン
⑦きついノルマ
⑧昼休みがない
⑨朝礼での吊るし上げ
⑩無駄な長時間の会議


6.中国の大学で日本語教師がホワイト突き抜けてクリスタルだと感じたわけ。

ここでは、「5」であげたブラック企業の要件に対する私の中国の大学での状況を記載します。
一読いただければ、読者様も中国の大学で日本語教師がホワイト突き抜けてクリスタルだと感じていただけると思います。

①長時間労働

 私の勤務先の大学では自分の授業以外は自由な時間となります。
 現在は週12コマ(1コマ45分)なので授業時間は週9時間です。(1日ではありません。)
 2コマあたり1時間の事務時間(授業準備・宿題チェック等)を加算しても、週15時間となり、長時間労働とは無縁です。

②休日が少ない

 中国の大学での勤務なので完全週休二日制です。
 授業がない曜日は休日になります。
 国が定める祝日はもちろんお休みです。
 休日は多いです。

③有給が取れない

 夏休みと冬休みが有給となっています。
 夏休みと冬休みは合わせて約4か月あります。
 夏休みと冬休みは授業がないので取得率100%です。

 日本人の労働の常識を打ち破る有給事情です。
 これだけでもクリスタル確定です。

④休日出勤・勤務時間外の呼び出し

 休日に大学にごはんを食べに行くことはありますが、仕事をしに行くことはありません。
 中国人の日本語の先生も誰も休日に学校に来ていませんから、職員室には鍵がかかっており入ることができません。
 もはや勤務時間が何かわかりませんが、平日の夜中や早朝に呼び出されたことはありません。
 SNSでの業務連絡は夜中に来たりしますが、怯えるような内容が来ることは想定されていません。

⑤残業代が出ない

 残業をしたことがありません。
 契約書には年間640コマを超えない範囲で授業を振り分けると書かれています。
 8か月で割っても週20コマになるので、日本語教師としては適正な授業コマ数だと思います。(現状は週12コマ)

⑥上司や社長のトップダウン

 日本語学部としてはトップダウンの体制が敷かれているようです。
 指導方法などがコロコロ変わって大変な時もあるみたいです。
 ですが外国人教師はその指揮系統の中には組み込まれておらず、授業の内容やクラス運営は一任されています。(丸投げされています??)
 

⑦きついノルマ

 現在は週12コマというのが私のノルマ(?)という事になりますが、
 倍の週24コマで働いている日本語教師はゴロゴロいると思います。
 学生管理や就活指導のような業務が外国人の先生に回ってくることもなさそうですから、ノルマは全然きつくありません。

⑧昼休みがない

 午前中の最後の授業が11時30分に終わって、午後の最初の授業が13時30分に始まります。
 2時間あります。
 一度家に帰ってごはんを食べて昼寝をすることも可能です。
 現在は午前も午後も授業がある曜日がありません。
 そういう意味では「昼休み」はありません。
 毎日「半休」です。
 

⑨朝礼での吊るし上げ

 朝礼がありません。

⑩無駄な長時間の会議

 外国人教師が参加しなければならない会議がありません。


7.まとめ

いかがでしたでしょうか?
ホワイトを突き抜けてクリスタルでしょう??
私の「働き方改革」は大成功です。

ネットで他の日本語教師(@中国の大学)の情報をみていると、「授業以外は基本的に自由」の大学は結構あるみたいです。
夏休みと冬休みは有給無給の違いはあっても休みは休みだと思います。(有給と無給の差は大きいですが・・)
住居については私のケースは特殊だと思います。(良すぎます)
上海などの都会ではワンルームだったり、○○元まで大学で補助というパターンもあるようです。
大学施設内の宿舎でないことも大きいです。(宿舎内だと学生の突然の訪問などが想定されてプライバシーがありません。)

労働の概念が根本的に覆される労働環境です。
もう毎日8時間、毎月、毎年、定年まで働くことが前提の会社と雇用契約を結ぶ気にはなれません。
私は少なくても5年くらいは中国の大学で働きたいです。
今の大学での契約更新ができなくなっても、他の中国の大学を探します。


ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
この記事が中国の大学での日本語教師を考えている方々の参考になれば幸いです。

それではまたの機会に

きいろいぴよ




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はじめまして きいろいぴよです。 2019年9月より中国の常州という地方都市の大学で日本語教師をしています。 今まで働いてきた国は タイ(青年海外協力隊・日本語教育・ムクダハーン県)・マレーシア(日本語学校・クアラルンプール)・キリバス(青年海外協力隊・職業訓練校・タラワ)・フィリピン(日本企業・技能実習生への日本語教育のマネジメント・カランバ)・中国(現地採用・大学勤務・常州)です。こちらのブログでは主に 中国の地方都市での暮らしと大学での日本語教育について情報発信していこうと思っております。これから中国の地方都市で働く予定の方や今現在中国で働いている方へ有意義な情報を発信していけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 2021.6.13 きいろいぴよ

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