学校のHPやパンフレットから読み解く日本語教師の労働環境5つ

2021年5月9日日曜日

02日本語教師

t f B! P L
ぱんだの着ぐるみ(労働環境)

2019年の9月から中国の大学で日本語教師をしているきいろいぴよです。

2020年の12月に中国の勤務地に戻ってくることができましたが、学校は冬休みに突入し、新学期が始まる(3月)まで自宅待機です。
今回は「学校のHPやパンフレットから読み解く日本語教師の労働環境5つ」についてお話したいと思います。
国内外の日本語学校での就職を考えている方々に向けての記事となります。
よろしくお願い致します。

学校のHPやパンフレットから読み解く日本語教師の労働環境5つ

1.生徒の入学時期

年1回や2回なら良いのですが、「毎月開校!!」や「随時開校!!」は大変です。
学校はギリギリまで生徒を集めたいですからギリギリまでクラスを開けるかどうかわかりません。
ゆえに、直前まで教師のシフトが発表されず十分な授業準備ができない環境に追い込まれます。
クラスを開けることが決まってもメンバーが定まっておらず名簿がなかなか作成されないかもしれません。
授業が1つ2つ終わった後で生徒が追加されるケースもあるかもしれません。
(その場合の追加された生徒のフォローは先生の責任となるでしょう。)
毎月ならそれが毎月、随時なら随時その不確かな状況に身を置くことになります。

2.レベル設定が多い。○○対策クラスが豊富。

多種多様なクラスが開設されているということは、日本語教師は多種多様な授業を行わなければならないということです。
初めてのテキストだったり、初めてのレベル・分野の授業準備は相当な時間と労力がかかりますが、それが2つ3つと重なってくると地獄の始まりです。
修行ととらえて耐え忍ぶのも有りですが・・。

3.土日補講や欠席者フォローアップシステムの有無

「急な用事で授業にでられなくてもご安心ください。担当の先生がしっかりフォローアップします!!」
なんて文言がHPやパンフレットに踊っていたら覚悟を決めましょう。
「しっかりフォローアップ」するのは採用されたあなたです!!
コマ給の場合は「しっかりフォローアップ」の対価はコマ給に含まれているでしょう。
60分の授業のフォローアップを15分で行ったりします。
先生から生徒に連絡して20分早く学校にくるようにお願いしなければならないかもしれません。
お願いして20分前に来てくれればいいですけど、普通に10分とか遅刻するでしょうから実質60分の内容を10分で行うことになるかもしれません。
「しっかりフォローアップ」は無理です。
でもしなければなりません。

4.出張講座の有無

「御社に教師が出向いて授業を行うこともできます。」なんて文言がHPやパンフレットに記載されていたら要注意です。
会社に出向いて授業を行うのはあなたかもしれません。
そして、その場合、おそらく交通費は支給されますが、出張手当の類は無いか少額です。
午前中は学校で授業をして、午後は学校から会社まで30分のA社で出張授業。
学校の備品の絵カード等の教材を昼休みに準備して、お昼ご飯もそこそこにA社に移動。
あてがわれた部屋を授業がしやすいようにレイアウトして生徒が来るのを待って、授業が終わったら移動させた机や椅子を元に戻して掃除した後、30分かけて学校に戻って絵カードなどの教材をなおしてから帰宅します。
どうですか?大変そうでしょう??
「3」のフォローアップシステムとのコンボなんて考えたくもありません。
コマ給の場合は全部コマ給にひっくるめられるでしょう。

5.各種イベント

クリスマスパーティーやカラオケパーティー・卒業旅行等のイベントの写真がHPやパンフレットにのっている場合は、それらのイベントの準備や運営を行うのは採用された後のあなたかもしれません。
有給かもしれませんし無給かもしれません。
実費を請求されるかもしれませんし、学校が負担してくれるかもしれません。
卒業クラスを担当して、そのクラスの生徒たちが「私たちは春休みに○○へ1泊2日の卒業旅行へ行きます!!先生も一緒にどうですか??」なんてきらきらした目で誘われたらどうしますか??
この場合は私的な旅行ですから、日当なんて出ませんし旅費の〇万円は自己負担です。
「すみません。ちょっと・・・」は卒業生に通用しません!!(笑)
行ったら行ったで楽しいんですけどね♪♪


6.まとめ

現在の私の勤務先(中国の某大学)の上の5項目の現状は以下のとおりです。
「1」・・生徒の入学は年1回。学期ごとにシフトが組まれるので、シフトの変更は年2回。
「2」・・4年制大学なのでレベルは豊富。JLPT対策などはありません。スピーチコンテストやアフレコ大会などに出場する生徒がいれば個別対応する程度。
「3」・・「欠席者フォローアップシステム」は存在しません。生徒は全員寮に住んでいる学生なので、基本全員出席です。欠席しても特別なフォローはしません。
「4」・・本校と分校があり、外国語学部は分校なので私の住居は分校の近くにあります。しかしながら本校の他学部生も第二外国語として日本語を勉強するケースがあり、彼らに日本語を教える場合は電車+徒歩=45分の本校に行く必要があります。90分の授業のために往復90分かけて移動しなければなりません。
「5」・・手巻き寿司パーティーに呼ばれましたが、パーティーは学生主催のもので私はゲスト扱いでした。学校のイベントについては外国人教師は蚊帳の外のようです。(参加したいと申し出れば参加させてくれると思いますが・・)

ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
この記事が国内外の日本語学校に就職したいと考えておられる方々の就職活動の参考になれば幸いです。


それではまたの機会に



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はじめまして きいろいぴよです。 2019年9月より中国の常州という地方都市の大学で日本語教師をしています。 今まで働いてきた国は タイ(青年海外協力隊・日本語教育・ムクダハーン県)・マレーシア(日本語学校・クアラルンプール)・キリバス(青年海外協力隊・職業訓練校・タラワ)・フィリピン(日本企業・技能実習生への日本語教育のマネジメント・カランバ)・中国(現地採用・大学勤務・常州)です。こちらのブログでは主に 中国の地方都市での暮らしと大学での日本語教育について情報発信していこうと思っております。これから中国の地方都市で働く予定の方や今現在中国で働いている方へ有意義な情報を発信していけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 2021.6.13 きいろいぴよ

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